寺山修司
寺山修司や岡本太郎は幅の広い人だと思う。
好きな作家には好きな作品があり、二度と読みたくないような作品ってあまりない。
だけど、寺山修司の書くものは好きだけど、彼が手がけた演劇の天井桟敷関係は一切見たくない。
岡本太郎の作品はずっと見ていたいものもあれば、これは遠ざけたいというものまである。
あるシンガーソングライターの人の歌は全曲似ているというのがある。
普通の人が作品を制作するに方向性が違うものを表現するというのはなかなか出来ないと思う。
年代によって作風がだんだん変化するということはあっても、同時期に幅広い作品を送り出すことが
できるのは天才だと思う。寺山修司と岡本太郎は大天才だと思います。
寺山修司は文章の組み立てがとても上手いと思う。
そして何より、彼の表現には暴力やギャンブル、性などあらゆるアングラな要素がありながら、
国籍や障害など立場の弱い人達への深い深い愛が注がれています。こんなに優しい人を他に見たことがない。
詩人でもある彼は言葉というのをとても大切にしていたと思います。
寺山修司は名言集を編んでますが、彼自身の言葉でも記憶に残るものが多いです。
『「人は見かけによるものだ」という印象哲学を信じる限り、人はしばしばその哲学によって裁かれることになるのである。』
『「自分を好きになる」ことが「世界を好きになる」ことです』
『勝つことは思想である』
『しかし、ムダがないというのは、何とムダなことだろう。』
たまに読み返したくなります。